東京都の明治神宮外苑では、三井不動産が主導して「世界に誇るスポーツクラスター」を構築する再開発プロジェクト「神宮外苑地区まちづくり」が進んでいる。その第1弾となるのが、日本初の屋内型多目的ラグビー施設を建設する「新秩父宮ラグビー場(仮称)整備・運営等事業」である。鹿島が代表企業を務め、三井不動産と東京建物、東京ドームの4社で構成する事業者の秩父宮ラグビー場(東京・港)は2030年の開業を目指し、26年2月3日に新秩父宮ラグビー場の建設に着工した。
施設の設計は、鹿島・松田平田設計JV(共同企業体)が手掛ける。設計協力者として、内藤廣建築設計事務所(東京・千代田)と米国の設計事務所POPULOUSも参画。施工は鹿島が担当する。鹿島は事業者の代表であり、設計・施工も担う。
内藤事務所は特徴的な弓なりの大屋根を監修し、周辺施設と調和するデザインを考案した。弓なりの大屋根は現在の秩父宮ラグビー場(1947年竣工)における建設時の観客席デザインを継承するものだ。一方、世界中で数多くのスタジアムやアリーナを手掛けてきたPOPULOUSは、施設内の商業スペースやバックヤード、観客席などを監修した。
新秩父宮ラグビー場はラグビーの聖地とされる秩父宮ラグビー場が老朽化したため、建て替えるものだ。工事は2期に分かれている。1期は国際試合を開催できる施設水準を満たす新ラグビー場の建設で、30年に開業予定だ。続く2期では南側の隣接地に広場を整備する。その間、現在の秩父宮ラグビー場の跡地には新しい野球場(新神宮球場)を建設することになっている。
新秩父宮ラグビー場はMUFGスタジアム(国立競技場)に隣接する神宮第二球場の跡地に建てる。現在の秩父宮ラグビー場の北側になる。敷地面積は約3万4000m2。施設は地下1階・地上8階建てで、延べ面積は約7万3000m2。構造は地上部が鉄筋コンクリート(RC)造、鉄骨造。地下部はRC造。
施設は東西のスタンドを均等にする「ダブルメインスタンド」を採用し、座席数は約1万5000席を確保する。イベント開催時には最大で2万5000人を収容できるようにする。都内では東京ドームに次ぐ収容規模になる予定だ。
高さは46.25mで、屋根は上部を垂直方向に分節する傾斜屋根にして圧迫感を抑える。軒高は近隣のMUFGスタジアムや明治神宮聖徳記念絵画館と同程度にそろえ、周辺施設と調和を図る。施設南側の開口部は開放し、フィールドから2期工事で整備する南側広場までが連続した空間を創出する。
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