NVIDIA 規制、「迂回ルート」の東南アジアも封鎖へ
米中 AI 地政学とソブリン AI米政府は 2026 年 5 月、中国本土向けだけでなくマレーシアなど第三国に拠点を置く中国系企業の子会社へ向けた NVIDIA AI チップ輸出も停止する手続きに踏み込んだ(Financial Times 報道)。これまでの規制は「中国本土」が中心だったが、東南アジアを経由した迂回ルートが表面化したことで、米国の輸出規制は「国境ベース」から「企業実体ベース」へと拡張されつつある。日本企業のサプライチェーン・海外法人にも追加の輸出管理対応が要求される可能性が高く、データセンターや AI 受託サービスを ASEAN 圏で運用するケースは特に注意が必要。
先月までの米国の AI チップ輸出規制は「中国本土にある会社・機関」が主ターゲットでした。H100→H800→H20 と低性能版まで規制対象が広がりましたが、「マレーシア法人を噛ませれば届く」という迂回ルートは事実上の抜け穴のままでした。2026 年 5 月、Financial Times が報じた動きで米政府はこの迂回経路を閉じにかかり、規制の照準が「どの国に荷物が届くか」から「その会社の実体が中国系か」に移り始めました。
ASEAN 圏でデータセンターや AI 受託サービスを動かしている日本企業には、追加のコンプライアンス確認が求められそうです。「中国向けじゃないから OK」という理屈が通りにくくなるかもしれない。逆に、完全に欧米系インフラで完結しているチームには誤差——今の調達を変える必要はなし。長い目で見ると「この AI サービス、実体は誰が支配しているか」が調達チェックリストに入ってくる話です。